成功する要求仕様 失敗する要求仕様/アラン・M・デービス [本]
僕にとっては、日本語のタイトルより、英語のタイトル Just Enough Requirements Management の方がしっくりいく内容であった。
本書は、要求を抽出し、仕分けして、仕様化するプロセスを分かりやすく解析している。「要求」にたいして、プロセス含め、大変分かりやすくまとめられている良書だと思う。
その中でも、仕様化のテクニックに主眼を置いているものはよく見かけるが、仕分け(本書では、トリアージと呼んでいる)の重要性をここまできちんと書いているのは、少ないかもしれない。要求の抽出とトリアージに関しては、エンジニアよりも、企画マーケッティングの人や、もっと上のマネジメント層が理解すべき内容だと思った。
自分の場合、書きすぎの感があることを発見し、「ちょうどよい」ということろをうまく見つけないといけない、という課題が分かった。
また、本書は訳本なのだが、訳がすばらしい。
本書は、要求を抽出し、仕分けして、仕様化するプロセスを分かりやすく解析している。「要求」にたいして、プロセス含め、大変分かりやすくまとめられている良書だと思う。
開発期間が短いにもかかわらず、ユーザーの要求は大量に出てくるもの。こうした厳しい状況下でシステムの要求仕様を策定している技術者やマネジャに、本書は現実的な解決策を示す。 ITコンサルティングで30年のキャリアを持つ著者は、「要求のトリアージ」という考えを重視する。トリアージとは医学用語で、災害により大量の傷病人が出たとき、声の大きな軽症者に惑わされず、傷病人の容態や緊急性に従って優先順位を付ける標準手法のこと。システム開発でも、さばき切れない要求をやみくもに実装するのではなく、トリアージにより「ちょうど十分な要求」を選び出すことが必要だという。
本書では、要求を導き出すところから、仕様化するまでの間に役立つ実践的なテクニックを数多く紹介している。例えば、要求を取捨選択する際に行う「100ドル・テスト」。各ステークホルダーが100ドルずつ持っていると仮定し、それぞれが要求の重要度に応じてドルを配分。その合計額が多い順に優先順位を付けるというもの。ステークホルダー同士の“談合”がある場合への対処策も示すなど、著者の経験に裏打ちされた内容は示唆に富む。
その中でも、仕様化のテクニックに主眼を置いているものはよく見かけるが、仕分け(本書では、トリアージと呼んでいる)の重要性をここまできちんと書いているのは、少ないかもしれない。要求の抽出とトリアージに関しては、エンジニアよりも、企画マーケッティングの人や、もっと上のマネジメント層が理解すべき内容だと思った。
自分の場合、書きすぎの感があることを発見し、「ちょうどよい」ということろをうまく見つけないといけない、という課題が分かった。
また、本書は訳本なのだが、訳がすばらしい。
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